新NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」で、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)とS&P500をそれぞれ積み立てているという人は多いのではないでしょうか。
「全世界と米国で分散している」と考えがちですが、実際に中身を見てみると意外な事実がわかります。
結論:上位銘柄の約80%が重複している
オルカンの投資先のうち、約60%は米国株式です。つまりオルカンの中身の大部分はS&P500と同じ銘柄で構成されています。
実際に保有銘柄を比較すると、上位銘柄の重複率は約80%に達します。Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazon、Meta――これらの銘柄はオルカンにもS&P500にも含まれています。
なぜ重複が問題なのか?
重複が多いこと自体は「悪」ではありません。しかし、以下の点は理解しておくべきです。
1. 分散効果が薄れる
2つのファンドを持っているのに、実質的に同じ銘柄に投資しているなら、分散のメリットが期待ほど得られません。米国市場が下落すれば、両方のファンドが同時に下がります。
2. 「分散しているつもり」が危険
「オルカンとS&P500で分散している」という認識は、実態と乖離しています。分散投資*1の本来の目的は、異なる値動きをする資産を組み合わせてリスクを下げることです。
3. コスト面では大差なし
どちらもeMAXIS Slimシリーズであれば信託報酬はほぼ同水準(0.05〜0.09%程度)なので、コスト面での有利不利はほとんどありません。
では、どうすればいいのか?
パターンA:オルカン1本に絞る
「全世界に分散したい」が目的なら、オルカン1本で十分です。オルカンの中には米国株も含まれているため、S&P500を別途持つ必要はありません。
パターンB:意図的に米国比率を上げる
「米国の成長にもっと賭けたい」という明確な意図があるなら、オルカン+S&P500の組み合わせは一つの選択肢です。ただし、その場合は米国比率が80%を超えることを理解した上での判断であるべきです。
パターンC:異なる資産クラスで分散する
本当に分散効果を高めたいなら、株式以外の資産クラス(債券、リートなど)を組み合わせることを検討しましょう。同じ株式カテゴリ内での組み合わせでは、分散効果は限定的です。
あなたのポートフォリオで確認してみよう
「自分の持っているファンドは大丈夫?」と思ったら、実際にデータで確認してみましょう。投信みえるくんの重複分析ツールで、あなたのファンドの重複率を可視化できます。
まとめ
- オルカンとS&P500の上位銘柄は約80%が重複している
- 「分散しているつもり」が実は「米国集中」になっている可能性がある
- オルカン1本でも十分な分散が得られる
- 米国比率を意図的に上げたいなら、それを理解した上で組み合わせるのはアリ
- 本当の分散を目指すなら、異なる資産クラスの組み合わせを検討しよう
大切なのは「なんとなく」ではなく、中身を理解した上で選ぶことです。