投資信託を選ぶとき、リターンだけを見ていませんか?
「過去3年のリターンが高いからこのファンドにしよう」――これだけでは不十分です。同じリターンでも、リスクの取り方は全く異なります。
この記事では、投資信託の「リスク」を測る主要な指標を初心者にもわかりやすく解説します。
リスクとリターンの関係
まず大前提として、投資の世界では:
- リターン: どれだけ儲かったか(利益率)
- リスク: リターンのブレ幅(ボラティリティ)
「リスクが高い = 危険」ではなく、「リスクが高い = リターンの振れ幅が大きい」という意味です。大きく上がることもあれば、大きく下がることもある。
主要なリスク指標
1. シャープレシオ(Sharpe Ratio)
「リスク1単位あたりのリターン」を測る、最も代表的な指標。
計算式: (リターン - 無リスク金利) ÷ ボラティリティ
| シャープレシオ | 評価 |
|---|---|
| 1.0以上 | 優秀 |
| 0.5〜1.0 | 良好 |
| 0〜0.5 | 普通 |
| 0未満 | リスクに見合うリターンが出ていない |
たとえ話: 2つのレストランがあるとします。
- A店: 平均点80点。ただし30点の日もあれば100点の日もある
- B店: 平均点80点。常に75〜85点で安定
どちらも「平均80点」ですが、B店の方が「ハズレがない」。シャープレシオはこの「安定感」を数値化したものです。
2. ソルティノレシオ(Sortino Ratio)
シャープレシオの改良版。下落リスクだけを分母に使います。
投資家が気にするのは「下がるリスク」であって「上がるリスク」ではありません。ソルティノレシオは、この直感に合った指標です。
シャープレシオ: 上下両方のブレを「リスク」とみなす ソルティノレシオ: 下方向のブレだけを「リスク」とみなす
一般に、ソルティノレシオの方がシャープレシオより高い値になります。
3. 最大ドローダウン(Maximum Drawdown)
「ピークからの最大下落率」。 過去最悪のシナリオを知るための最大ドローダウン*1は、リスク管理に欠かせない指標です。
例: ファンドの基準価額が10,000円→6,000円まで下がった場合、最大ドローダウンは -40% です。
この指標は心理的な耐性の目安にもなります。「自分の資産が40%減っても積立を続けられるか?」を事前に考えておくことが重要です。
4. CAGR(年率平均成長率)
「もし毎年均等に成長したら年何%か」を逆算した数値。
単純平均リターンと異なり、複利効果を考慮した指標です。例えば:
- 1年目: +50%
- 2年目: -50%
- 単純平均: 0%
- CAGR: -13.4% (100→150→75なので実際は損失)
CAGRの方が「実態に近いリターン」を示します。
5. ボラティリティ(標準偏差)
リターンのブレ幅そのもの。
ボラティリティが高い = リターンの振れ幅が大きい = リスクが高い、という関係です。
| 資産クラス | ボラティリティ(目安) |
|---|---|
| 国内債券 | 2〜3% |
| 先進国債券 | 5〜8% |
| 国内株式 | 15〜20% |
| 先進国株式 | 15〜20% |
| 新興国株式 | 20〜25% |
指標の使い方
1本のファンドを評価する場合
- CAGR: そもそもどれくらいリターンが出ているか
- シャープレシオ: リスクに見合ったリターンか
- 最大ドローダウン: 最悪どれくらい下がるか
複数ファンドを比較する場合
- シャープレシオ: 効率性の比較
- ソルティノレシオ: 下落リスクの比較
- 最大ドローダウン: 暴落耐性の比較
Pro分析ですべての指標を確認できます
投信みえるくんのPro分析では、これらのリスク指標をファンド別・ポートフォリオ別に一覧表示できます。
まとめ
- シャープレシオ: リスクあたりのリターン効率。高いほど優秀
- ソルティノレシオ: 下落リスクだけを考慮した改良版
- 最大ドローダウン: 過去最悪の下落幅。心理的耐性の目安
- CAGR: 複利を考慮した実質的な年率リターン
- ボラティリティ: リターンのブレ幅
- リターンだけでなくリスク指標を組み合わせてファンドを評価しよう