投資信託を選ぶとき、信託報酬(運用管理費用)を比較する人は多いでしょう。でも「0.1%の差なんて誤差でしょ」と思っていませんか?
長期投資では、この小さな差が驚くほど大きな金額差になります。
信託報酬とは
信託報酬は、投資信託を保有している間ずっとかかる年間の運用コストです。基準価額(NAV)から日々自動的に差し引かれるため、直接支払う感覚がないのが厄介です。
0.1%の差を具体的に計算
前提条件
- 投資元本: 500万円(一括投資)
- 年間リターン(コスト控除前): 5%
- 比較: 信託報酬 0.1% vs 0.2%
結果
| 期間 | 0.1% のファンド | 0.2% のファンド | 差額 |
|---|---|---|---|
| 5年 | 637万円 | 634万円 | 3万円 |
| 10年 | 811万円 | 803万円 | 8万円 |
| 20年 | 1,316万円 | 1,290万円 | 26万円 |
| 30年 | 2,133万円 | 2,074万円 | 59万円 |
積立投資の場合はさらに差が拡大
一括投資ではなく毎月積み立てる*1場合を見てみましょう。
前提条件
- 毎月の積立額: 3万円
- 年間リターン(コスト控除前): 5%
結果
| 期間 | 投資元本 | 0.1% | 0.2% | 差額 |
|---|---|---|---|---|
| 10年 | 360万円 | 464万円 | 461万円 | 3万円 |
| 20年 | 720万円 | 1,217万円 | 1,204万円 | 13万円 |
| 30年 | 1,080万円 | 2,443万円 | 2,409万円 | 34万円 |
積立投資でも、30年で34万円の差が生まれます。
実際のファンドで比較
eMAXIS Slimシリーズと他社ファンドの信託報酬を比べてみましょう。
| ファンド | 信託報酬 |
|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式 | 0.05775% |
| eMAXIS Slim 米国株式 | 0.09372% |
| 某社 全世界株式 | 0.20% |
| アクティブ型 日本株 | 1.0〜1.5% |
eMAXIS Slimと「某社 全世界株式」の差(約0.14%)は小さく見えますが、20年で約18万円、30年で約40万円以上の差になります。
アクティブファンド(信託報酬1.0%以上)との差は言うまでもありません。
信託報酬だけで選んでいいの?
信託報酬は重要な指標ですが、それだけで選ぶべきではありません。考慮すべき他のポイント:
1. 実質コスト
信託報酬以外にも「隠れコスト」(売買委託手数料、有価証券取引税など)があります。運用報告書に記載される実質コストを確認しましょう。
2. トラッキングエラー
インデックスファンドの場合、ベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)が小さいほど良質です。信託報酬が安くてもトラッキングエラーが大きければ意味がありません。
3. ファンドの規模
純資産総額が小さすぎるファンドは繰上償還(強制解散)のリスクがあります。数百億円以上の規模があるファンドを選ぶのが安心です。
自分のファンドのコストパフォーマンスを確認しよう
まとめ
- 信託報酬 0.1%の差は30年で59万円(500万円一括の場合)
- 積立投資でも30年で34万円の差
- アクティブファンドとの差はさらに大きい
- 信託報酬以外に実質コスト・トラッキングエラー・ファンド規模も確認
- 長期投資ではコストが確実にリターンを蝕む — 低コストファンドを選ぶのが鉄則