「分散投資が大事」と聞いて、複数のファンドを持っている方は多いでしょう。でも、実際にポートフォリオの国別構成比率を確認したことはありますか?
調べてみると、「分散しているつもり」が実は米国株に集中しているケースが非常に多いのです。
主要ファンドの米国比率
まず、人気ファンドの米国株比率を見てみましょう。
| ファンド | 米国比率(概算) |
|---|---|
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 100% |
| eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン) | 約60% |
| eMAXIS Slim 先進国株式 | 約70% |
| 楽天・全米株式 | 100% |
よくある組み合わせの実態
パターン1: オルカン + S&P500(50:50)
「全世界と米国で分散」のつもりが…
- オルカン分: 50% × 60% = 30% が米国
- S&P500分: 50% × 100% = 50% が米国
- 合計: 80%が米国株
パターン2: オルカン + 先進国株式(50:50)
- オルカン分: 50% × 60% = 30% が米国
- 先進国分: 50% × 70% = 35% が米国
- 合計: 65%が米国株
パターン3: S&P500 + 先進国株式(50:50)
- S&P500分: 50% × 100% = 50% が米国
- 先進国分: 50% × 70% = 35% が米国
- 合計: 85%が米国株
米国集中の何が問題なのか?
過去の実績が良かったから大丈夫?
確かに、過去10年の米国株のリターンは世界トップクラスでした。しかし、過去の好成績が将来を保証するわけではありません。
歴史を振り返ると:
- 2000年代: 米国株は「失われた10年」を経験。S&P500は10年間ほぼ横ばい
- 同時期の新興国: BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)が大幅上昇
- 1990年代の日本: 日本株はバブル崩壊後、30年以上最高値を更新できなかった
「今の勝者が未来の勝者」とは限らないのです。
為替リスクの集中
米国株への投資は同時にドル円為替リスクも負っています。円高が進めば、株価が変わらなくても円建ての評価額は下がります。
2022年には1ドル=150円を超える円安になりましたが、これが130円、120円と戻れば、その分だけ評価額が目減りします。
地政学リスク
一国に集中するということは、その国固有のリスク(政策変更、規制強化、地政学的緊張)に大きく晒されるということです。
本当の分散とは?
本当の意味で分散*1するなら、以下の軸を意識しましょう:
1. 地域の分散
米国だけでなく、欧州・アジア・新興国にも配分する。オルカン1本でも地域分散は得られますが、追加でS&P500を足すと逆効果です。
2. 資産クラスの分散
株式だけでなく、債券・リート(不動産) も組み合わせることで、株式市場全体が下落した際のクッションになります。
3. 通貨の分散
為替ヘッジ付きファンドを一部組み入れることで、為替変動リスクを緩和できます。
あなたのポートフォリオの国別構成を確認しよう
「自分のポートフォリオは実際にどんな国別構成になっているんだろう?」
投信みえるくんの重複分析では、ファンドの国別・セクター別の構成比較も可視化できます。思い込みではなく、データで確認してみましょう。
まとめ
- 人気ファンドの組み合わせは、意図せず米国比率80%超になりがち
- 過去10年の米国株の好成績が今後も続く保証はない
- 「分散しているつもり」と「実際に分散している」は違う
- 本当の分散は地域・資産クラス・通貨の3軸で考える
- まずは自分のポートフォリオの国別構成を確認することから始めよう
「なんとなく分散」ではなく、データで確認する。それが賢い投資の第一歩です。